20代女性でも、退職日までに残っている有給休暇を消化してから退職できます。年齢や性別によって有給休暇の扱いが変わることはありません。ただし、残日数だけでなく、退職日までの勤務日数、会社による時季変更、雇用契約の期間などによって、全日数を使えるかが決まります。
有給消化してから退職することは可能
年次有給休暇は、在職中に取得する休暇です。退職日までの勤務日に有給休暇を充てれば、最終出勤日を早めて、残りの期間を有給消化にすることができます。
たとえば、退職日が3月31日で、3月20日までに業務の引き継ぎを終えた場合、3月21日から31日までの勤務日に有給休暇を取得する方法があります。土日や祝日など、もともと勤務日ではない日は有給休暇の日数には含まれません。
年次有給休暇の取得時季を変更できる「時季変更権」は、事業の正常な運営を妨げる場合に会社が行使できるものです。会社が「退職予定者だから有給休暇を取れない」と一律に拒否できるわけではありません。
労働基準法第39条では、一定の条件を満たした労働者に年次有給休暇を与えることや、会社が取得時季を変更できる場合が定められています。
有給を全日数使えるかは退職日までの日数で決まる
退職日までにある勤務日数が、残っている有給休暇の日数以上なら、原則として全日数を消化できます。反対に、退職日までの勤務日数が足りなければ、退職日を変えない限り、残日数をすべて使うことはできません。
| 確認する項目 | 判断方法 |
|---|---|
| 有給休暇の残日数 | 勤怠システム、給与明細、人事部などで確認する |
| 退職日までの勤務日数 | 休日や勤務予定のない日を除いて数える |
| 最終出勤日 | 引き継ぎや返却物の対応が終わる日を決める |
| 有給休暇の取得日 | 最終出勤日の翌日から退職日までに設定する |
たとえば、残っている有給休暇が10日で、退職日までの勤務日が8日しかない場合、退職日を変えなければ10日すべては消化できません。この場合は、退職日を延ばせるか、または8日だけ取得するかを検討します。
会社は「退職するなら有給を取れない」と拒否できる?
退職予定者であることだけを理由に、有給休暇の取得を全面的に拒否することはできません。ただし、会社には業務への大きな支障を避けるため、取得日を別の日に変更する権利が認められる場合があります。
もっとも、退職日を過ぎた日へ変更することはできません。退職後はその会社との雇用関係がなくなるためです。そのため、退職日が決まっている場合、会社が取得日を変更できる範囲は退職日までに限られます。
会社から変更を求められた場合は、次の点を確認してください。
- どの業務に支障が出るのか
- いつなら有給休暇を取得できるのか
- 引き継ぎのために必要な作業は何か
- 退職日までに代替日を設定できるのか
単に「有給は使わせない」と言われた場合と、具体的な業務上の理由を示して取得日の変更を求められた場合では、状況が異なります。やり取りはメールなど記録が残る方法で行うと、後から確認しやすくなります。
有給消化して退職するための手順
- 有給休暇の残日数を確認する
勤怠システムや給与明細を確認し、不明な場合は人事・総務に残日数を尋ねます。 - 退職希望日を決める
転職先の入社日、引き継ぎ、会社から借りている物の返却などを考慮して退職日を決めます。 - 最終出勤日を計算する
退職日から逆算し、勤務日だけを数えて有給消化期間を設定します。 - 退職の意思と有給休暇の希望日を伝える
退職日、最終出勤日、有給休暇の取得予定日を、メールや書面など記録に残る形で提出します。 - 引き継ぎと返却物の対応を終える
有給消化に入る前に、業務の引き継ぎ、社員証・パソコン・鍵などの返却、必要書類の確認を済ませます。 - 申請内容と勤怠を確認する
有給休暇が正しく登録され、最終出勤日と退職日が予定どおりになっているかを確認します。
会社の規定に退職の申し出時期や申請方法が定められている場合は、その手続きも確認してください。ただし、社内規定だけで法律上の有給休暇を一律に消滅させられるわけではありません。
転職先の入社日と有給消化期間が重なる場合
転職先の入社日が、現在の会社の有給消化期間中になる場合は注意が必要です。有給休暇中でも現在の会社との雇用契約は退職日まで続いているため、転職先との二重在籍や副業の扱い、就業規則、社会保険の手続きなどを確認する必要があります。
トラブルを避けるには、可能であれば現在の会社の退職日の翌日を転職先の入社日にします。入社日の変更が難しい場合は、現在の会社と転職先の双方に、在籍期間と勤務予定を確認してください。
退職を申し出る時期にも注意が必要
無期雇用か有期雇用かによって、退職の手続きは異なります。無期雇用でも、就業規則や引き継ぎの事情を確認したうえで、余裕を持って退職日を相談することが大切です。
民法では、期間の定めのない雇用について、一定の条件のもとで退職の申し入れから雇用が終了するまでの期間が定められています。一方、契約社員などの有期雇用では、契約期間の途中で退職できるかが別に問題となるため、契約書を確認してください。
「有給を使い切りたい日数」だけを基準に退職日を決めるのではなく、契約期間、就業規則、転職先の入社日を合わせて調整しましょう。
使い切れなかった有給休暇は退職後に取得できる?
退職後に、以前の会社の有給休暇を取得することはできません。有給休暇は在職中に取得する制度だからです。退職日までの日数が足りない場合、使い切れなかった分が残っていても、退職後に振り替えて取得することはできません。
未使用分を会社が買い取ることについても、当然に請求できるものではありません。買い取りの有無や条件は会社によって異なるため、就業規則や人事担当者への確認が必要です。
20代女性の転職で確認しておきたいこと
20代女性だから有給消化に特別な制限があるわけではありません。判断するときは、年齢や性別ではなく、次の条件を確認してください。
- 有給休暇の正確な残日数
- 退職日までの勤務日数
- 無期雇用か有期雇用か
- 転職先の入社日
- 引き継ぎや返却物の期限
- 有給休暇の申請方法と会社からの回答
結論として、在職中で、退職日までに取得できる勤務日が残っていれば、有給消化してから退職できます。まずは残日数と退職日までの勤務日を確認し、最終出勤日・有給休暇の取得日・退職日をセットで会社に伝えましょう。







