退職理由として体調不良を伝えるときは、病名や詳しい症状をすべて説明する必要はありません。「体調面で勤務の継続が難しくなったため、退職したい」と、事実と退職の意思を簡潔に伝えれば十分です。
引き止められた場合に備えて、退職希望日、引き継ぎ方法、会社に伝える範囲をあらかじめ決めておくと、落ち着いて話せます。
体調不良を退職理由として伝える基本の言い方
最初は、直属の上司に次のように伝えます。
「お時間をいただきありがとうございます。体調不良が続いており、今後の勤務を続けることが難しいと判断しました。○月○日をもって退職したいと考えています」
ポイントは、体調不良の説明を長くするよりも、退職する意思と希望日をはっきり示すことです。「辞めようと思っています」と曖昧に伝えると、相談や一時的な休みの希望だと受け取られることがあります。
症状や病名はどこまで話せばよいか
病名、治療内容、通院先などを、本人が望まない範囲まで詳しく話す必要はありません。次のように、勤務への影響を中心に説明できます。
- 「体調面の問題で、安定して勤務することが難しい状態です」
- 「医師とも相談し、現在の働き方を続けるのは難しいと判断しました」
- 「詳しい症状については、個人的なことなので説明を控えさせてください」
- 「治療と休養を優先するため、退職を決めました」
診断書を提出していない場合は、「医師から退職を指示された」と断定せず、「医師と相談した結果」「治療や休養が必要と考えた」と、実際の状況に合う表現を使いましょう。
退職の意思を引き止められたときの返し方
会社から休職、異動、勤務時間の短縮などを提案されることがあります。提案を検討する余地があるなら条件を確認し、退職の意思が変わらないなら、繰り返し簡潔に伝えます。
「ご配慮ありがとうございます。ただ、体調と今後の治療を考えたうえで、退職すると決めています。退職の意思は変わりません」
詳しい説明を求められた場合も、同じ内容を繰り返して構いません。
「勤務を続けることが難しいという判断です。これ以上の詳しい説明は控えさせてください。引き継ぎについては、できる範囲で対応します」
体調が悪く、対面での話し合いが難しい場合は、まずメールや書面で面談を申し込む方法もあります。ただし、退職の手続きや連絡方法は会社の規定も確認してください。
退職理由をメールで伝える例文
メールだけで退職を確定させるのではなく、まず上司との面談を依頼する場合は、次のように書けます。
件名:退職についてのご相談
○○部 ○○課
○○様お疲れさまです。○○です。
体調不良が続いており、今後の勤務継続についてご相談したく、ご連絡しました。治療と休養を優先する必要があると判断しており、○月○日をもって退職したいと考えています。
お忙しいところ恐れ入りますが、面談のお時間をいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
会社との面談後に、話し合った内容を記録として残す場合は、次のようにまとめられます。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。体調不良を理由として、○月○日付で退職したい旨をお伝えしました。今後の手続きと引き継ぎについて、ご指示をお願いいたします。
退職理由を退職届に書くときの注意点
退職届では、詳しい病名や症状を書かず、「一身上の都合」とする形式が一般的です。体調不良を理由として会社に伝えた記録を残したい場合は、退職届とは別に、上司とのメールや面談記録を保管しておく方法があります。
ただし、会社から所定の書式や記載内容を指定されている場合は、その指示を確認してください。退職日や提出先を間違えないよう、就業規則や会社の担当部署にも確認しましょう。
退職希望日と引き継ぎを伝える方法
体調不良が理由の場合、無理な引き継ぎを約束する必要はありません。対応できる範囲を明示し、難しい作業は早めに会社へ伝えます。
- 退職希望日を伝える
- 担当している業務を一覧にする
- 締め切り、進捗、保管場所、連絡先を整理する
- 体調上できない作業や出社日数を伝える
- 引き継ぎ資料の提出方法を確認する
伝え方の例は次のとおりです。
「体調のため長時間の勤務や連日の出社は難しい状況です。担当業務の一覧と進捗をまとめ、○日までに提出します。追加の引き継ぎについては、体調に無理のない範囲で対応させてください」
引き継ぎを理由に退職の話を先延ばしにすると、体調がさらに悪化するおそれがあります。できることとできないことを分けて伝えることが大切です。
体調不良で出社して伝えるのが難しい場合
まずは直属の上司や人事担当者に、体調のため面談方法を相談してください。電話、オンライン面談、メールでの連絡など、会社が認める方法を確認します。
強い症状がある場合は、退職の話を急ぐより、医療機関への相談や休養を優先してください。休職、欠勤、年次有給休暇の利用などで対応できる場合もあるため、退職以外の選択肢を検討したいときは、会社の人事担当者に制度の有無を確認しましょう。
退職理由を体調不良と伝えるときの注意点
体調不良を理由にしても、会社がすぐに納得するとは限りません。次の点を意識すると、話がぶれにくくなります。
- 本当の事情と異なる病名や診断内容を作らない
- 退職の意思、希望日、引き継ぎの可否を分けて伝える
- 詳しい症状を話したくない場合は、説明を断る
- 会社から求められた書類は、目的と提出先を確認する
- 面談日、伝えた内容、退職希望日をメモしておく
退職理由の伝え方と、退職できるかどうかは別の問題です。退職日や手続きで意見が合わない場合は、雇用形態、就業規則、退職の申し出をした日などによって扱いが変わるため、会社の人事担当者や公的な労働相談窓口に確認してください。
体調不良を退職理由にするときの要点
「体調面で勤務の継続が難しくなったため、○月○日で退職したい」と伝えれば、詳しい病名まで説明しなくても意思を示せます。引き止められた場合は、退職の意思が変わらないことと、無理なく対応できる引き継ぎ範囲を伝えましょう。
最初に、退職希望日と伝える相手を決め、面談で話す内容をメモしておくと安心です。症状が強い場合は、退職手続きより治療と休養を優先し、会社に面談方法や利用できる制度を相談してください。







